免疫について⑧「DNAワクチン」(お体の基礎知識8)

先週の続きです

前回「DNAワクチン」というキーワードを出しました。これは現代科学の最先端のワクチン製造法になりますが、沢山の長所があります。

・狭いスペースで沢山のワクチンを製造することが出来る。

・(セオリー通り行けば)副作用が少ない(ほとんどない)。

・短期間で大量に生産が出来る。

などなどです。

先週紹介した鶏卵を利用したワクチンの製造法ですが、安定して質の高いワクチンが作れる一方、生産スペースの問題や製造期間が長いなど課題があることも事実でした。

「DNAワクチン」は開発に成功すれば、それらの課題を解決する”次世代のワクチン”になります。

では、どのような理屈で開発されるのでしょうか?

 

まず、名前にある「DNA」とは体の設計図のことです。

虫や植物も含む、地球上の生きとし生ける物全ては、このDNAを使って新しい細胞を作り続けています。

もちろん、設計図だけで生き物のような”有機物”を生み出すことは出来ません。細胞内でRNAという物質の力を借りてDNAの中にある情報をタンパク質に変換し、新しい細胞を作るのです。

「DNAワクチン」はウイルスのDNAを体内に注射させて抗体を作らせるという方法をとります。ただウイルスのDNA全てを注射してしまっては、ウイルスをそのまま作らせる事になってしまいます。

ですのでワクチン化する際にDNAの一部に手を加えます。そして遺伝子を組み替える事によって、ウイルスの一部分だけを体内に作らせるようにします!

 

その一部分というのはコロナウイルスの表面にくっついている「スパイクタンパク質」になります。このタンパク質はウイルスが細胞内に侵入する時に使用される厄介なものですが、一方で抗体の攻撃対象にもなるものです。

コロナにくっついているスパイクタンパク質だけを体内で発現させるようにして、安全に抗体を作らせる事がこのワクチンの目標になります。

スパイクタンパク質だけでは病原性がないので、いくら増殖しても身体が負ける事無く抗体が作られるのです。

またこのワクチンは鶏卵ではなく大腸菌で製造が可能なので省スペース化にも成功します。

 

お話だけ聞くと凄く夢のようなワクチンですが、実用化が難しく30年程前からエイズやエボラウイルスで研究されていますが未だに認可を受けたワクチンはありません。

 

ですが、未曾有の状態である今は総力をあげて実用化を目指している状況で、現在は日本でも臨床試験(治験)段階にも入っているそうです。

 

実用化の成功をお祈りするしかないですね(>_<)

数回にわたってワクチンについて書いてきましたが、次回からは「感染症の予防について」書いて参ります!

 

それでは!


2 comments to this article

  1. 田瀬 隆宏

    on 2020年12月24日 at 12:22 PM - 返信

    はじめまして。
    いたって普通の会社員をしている田瀬と申します。
    このご時世柄ワクチンについて勉強をしたく読ませて頂きました。素人の私にもわかりやすく、すんなりと頭に入ってきたものですから
    コメントさせて頂きました。
    今後も読ませて頂きたいと思っております、
    突然のコメント失礼致しました。
    今後とも宜しくお願い致します。

    • kameari-admin

      on 2020年12月25日 at 11:12 AM - 返信

      田瀬様
      コメントありがとうございます!
      院長の松浦です。
      ブログの記事が少しでもお役に立てて嬉しく思います。最近は忙しくて、中々更新できませんでしたが、来年から少しずつ記事をアップ出来ればと思っております。
      予断の許さない状況がまだまだ続きそうですが、お身体どうぞご自愛下さいませ!

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