今回は先週に続いてワクチンについてお話していきます😉
前回「生ワクチン」と「不活化ワクチン」のお話をしました。
「生ワクチン」は弱毒化したウイルスを接種させる方法で、「不活化ワクチン」は死んだウイルスを接種させる方法でした。
どちらもウイルスを体内に提示して、予め抗体を作るのが目標です。
新型コロナウイルスに関しては「不活化ワクチン」の開発が望まれています。
「生ワクチン」の期待が低いのは、弱毒化したといえど新型コロナの場合はウイルスが悪さをして重症化する恐れが拭い去れないからです(研究は進められているみたいです)。
「不活化ワクチン」は開発方法がいくつかありますが、インフルエンザウイルスに関しては、鶏卵を用いてワクチンを作る方法が主流になります。
「不活化ワクチン」は死んだウイルスを使いますが、抗体を作るにはある程度のウイルス量を体内に提示しなければなりません。
つまり、大量のウイルスを作ることが必要になりますが、それには生きた動物の体が必要になります。ウイルスは菌と違って生きた細胞の中でしか繁殖させることが出来ないからです。もちろん、量を増やすのに人間の体を使うわけにはいかないので、通常は孵化前の鶏卵を使います。
鶏卵は受精後20日程で孵化しますが、10日目位に卵に対してウイルスの注射をします。
そうすると数日経つとウイルスが最高潮に増えるので、そのタイミングで卵を割ってウイルスを集めます(時間が経ちすぎるとヒヨコの免疫細胞にウイルスが負けてしまうので、タイミングが重要です)。
そして増えたウイルスをホルマリンで不活化させて出来上がります。通常、卵一個につき一人分のワクチンが出来ます。
ちなみにこのワクチンを作る農園の情報は国のトップシークレットになります。
もし万が一その農場が攻撃されたり、鳥インフルエンザウイルスをばら撒かれたりしたら、その年のインフルエンザの流行は過去最大級になりうるからです。
また鶏卵で作るので、インフルエンザワクチンの副作用で多いのは卵アレルギーになります。子供の時に経験された方も多いと思いますが、卵アレルギーの方は接種の前にアレルギー検査が必要になります。
しかし、今回の新型コロナのワクチンに関しては、鶏卵を使ったワクチン開発法はあまり積極的には研究されていないようです。
理由は鶏卵を使ったワクチンでは場所や時間などのコストがかかり過ぎて、全世界に向けての供給が難しいからです。
急なパンデミック向きではないようです。
では今、どのような方法が研究されているかというと、、、
「DNAワクチン」というものが期待されています。狭いスペースで大量のワクチンを作ることが可能になる方法ですが、
この続きはまた次回で!