今回からは具体的な免疫システムについて書いていきます!
まず第一としてワクチンについてお話していきます!
今回のコロナ騒動でワクチンの早期開発が待ち望まれていますが、ワクチンとはどんな働きをするのでしょうか??
以前、体の免疫システムを主に担っているのは「白血球」と書きました。体内にウイルスなどの病原菌が侵入してきた時に「白血球」が対処し、体内が病原菌に蝕まれるのを防ぎます。
病原菌の形にあわせて、白血球の仲間のヘルパーT細胞が「抗体」という病原菌の動きをとめる物を作り、動きが止められた病原菌を他の白血球達が食べたり破壊したりします。
ワクチンはこの一連の流れの中で「抗体」を作る事を手助けしてくれています。
抗体は体内で作られるまである程度の時間が必要になります。その期間中にウイルスに身体が負けてしまう事もありうるので、予め抗体を作っておくことが重要になります。
ワクチンには種類が大きく二つあります。
一つは、弱いウイルスを投与させ、あえて軽い病気にかからせる方法です。症状がごく軽度である為、健康に問題はないのですがそれでもしっかり抗体は作られます。生きたウイルスを使うため、「生ワクチン」と呼ばれます。
もう一つは、死んだウイルスを投与し抗体を作らせる方法です。「不活化ワクチン」と呼ばれる方法で、インフルエンザワクチンはこの方法になります。
ここからはワクチンの豆知識ですが、
実はワクチンの原型は600年程前の中国で行われていました。
昔から一度感染症にかかった人は、二度と同じ感染症にはかからない事は分かっていました。
一度、感染症にかかり治った人の体には特別な力があると考えられていて、治りかけの感染症患者のカサブタの膿を接種させる方法をとっていました。
これは「人痘」と呼ばれる方法ですが、効果がある一方、身体がウイルスに負けてしまう可能性が高いという短所もありました。
この免疫法を発展させたのが18世紀のイギリスの医師のジェンナーです。彼は雌牛の乳搾りをしている女性たちが天然痘にかからないことに注目しました。
彼女たちが感染経験のある牛痘(牛の天然痘)の抗体が天然痘にも効果があるのでは?と考えたのです。
そしてこの牛痘を人間に接種させたところ、安全性高く天然痘を予防させることに成功したのです。
ラテン語で雌牛の事を「ワッカ」と言いますが、ワクチンの語源にもなりました。
感染症予防のエピソードにはまだまだ沢山面白いものがあるのですが、また機会をみてご紹介していきたいと思います!