今回は先週の続きです!
ウイルスの進化の速度について書いていきます( ..)φ
まず「進化」というのは、時間が経つにつれてその生物の形質が変わって行くことを言います。
キリンの首が長くなるのも、人間が4足歩行から2足歩行に変わったのも長い年月をかけて形質をかえてきた結果でした。
進化が起こる理由としては、形質が変わった方が「楽に生きられる」という法則があります(例外はあります)。
ウイルスにとっての天敵は生物の「抗体」ですが、「抗体」はウイルスの形に反応するため、ウイルスにとって形を変え続けることは生き延びるための「進化」になります。
ではウイルスはどれくらいの速度で進化していくのでしょうか?
例えば人間が進化と呼べるくらいに形質がかわるには何万年・何十万年もの時間が必要になります。
しかし人が何万年、何十万年とかけて行っていく「進化」をウイルスはごく短期間でやってのけます。
理由はウイルスの世代交代のサイクルがとても高速だからです。
人間が世代交代(産まれてから次の子供を産むまでの時間)するには25〜30年程かかりますが、ウイルスはそれを数時間で完了させます。
インフルエンザウイルスは、人体にはいって次の子供を作る(複製)まで約10時間ほどしかかかりません。また複製する数も多く、一個のウイルスは数千〜数万程のウイルスを作ります。そして、そのウイルス達がそれぞれ自分の子供を量産していきます。
始めは1個のウイルスでしたが、2、3日もたてば数えきれない位のウイルス達が繁殖することになります。
子孫を作るという行為は両親の遺伝子を渡す事ですが、子供は100%遺伝情報をコピーする訳ではありません。必ずミスコピーが起こり、両親とはちょっと変わった遺伝子を持つ事になります(ミスセンス変異と言ったりします)。
そのミスコピーが何世代も積もり積もって、最初の遺伝子とは違う形質を持つ遺伝子になることを「進化」と言いますが、ウイルスはそのサイクルがとても早いのです。
子供の数が多いわけですから、宿主の中でも色々なタイプのウイルスがグループを作る事になります。その中で、免疫システムに負けづらいグループが生き残って行くことになります。
もちろんウイルスが生み出す子孫の中には、免疫にすぐに負けてしまうような弱いウイルスもいるはずです。ですが、それが仮にすぐにいなくなったとしても、強いタイプのウイルスが最終的に数を増やせば問題ありません(このことをダーウィンは「自然淘汰」と呼びました)。
ウイルスは短期間でバラエティある子孫を沢山作り、その中で免疫システムに負けないようなグループだけ大きくし、形質を変えてきたのです。
では、次回からは体の免疫システムについて書いていきたいと思います(#^.^#)