こんにちは!
院長の松浦です!
少し間が空きましたが、今週は免疫についての続きを投稿します!
これからウイルスの「進化」について書いていきますが、分量が多くなったので2回に分けて書きますね(*^-^*)
今週はウイルスの「新型」について、次週はウイルスの進化スピードについて書いていきます!
前回「抗体」についてお話した際、抗体は体内で記憶されるので一度「麻疹(はしか)」などの病気にかかると、二回目は(かなり)かかり辛くなると説明しました。
しかしインフルエンザのように毎年「新型」が発生し、その都度、予防接種を受けなければならないものもあります
今回のコロナもそうですが、ウイルスの「新型」とはどういう意味なのでしょうか?
ウイルスの「新型」には、大きく2つのニュアンスがあります。
①インフルエンザウイルスのように人と人との感染中に遺伝子の変異が起こって形が変わり、新しく感染力を持つこと。
②元々ヒト以外の動物の体内にいたが、そこに変異が起こり人間に対しても新たに感染力を持つこと。
どちらも「新たに感染力を持つ」という意味では同じですが、伝達の方法が「①ヒトからヒト」か「②動物からヒト」かの違いがあります。
①のインフルエンザウイルスについて補足すると、インフルエンザウイルスは「RNAウイルス」という、変異(進化)が起こりやすいタイプのウイルスでもあります。
更に気道に感染し飛沫感染で伝染力が強いことも、「新型」が作られやすい理由でもあります(ここについては次回もう少し詳しく説明します)。
「抗体」はウイルスの形に反応するように作られますが、「RNAウイルス」は変異のスピードが早く、すぐに形が変わってしまうため以前の抗体が無効になってしまうのです。
そして今回の新型コロナ(COVID-19)ですが、これは②のタイプ「動物からヒト」へ新たに感染力をもったタイプだと考えられています。
過去発生した大きな感染症のほとんどは「動物からヒト」へウイルスが新たに感染力をもった事が原因でした。
麻疹や天然痘は牛から、日本脳炎は豚から、ライノウイルスは馬から来たと言われています。
インフルエンザウイルスも香港型のように鴨やアヒルからくる場合もあります。
今回の新型コロナはコウモリから来たと考えられています。
そして多くの場合ですが、感染源となった動物とそこにいたウイルスはうまく共存しています。ウイルスだって宿主が亡くなってしまうと、自分も亡くなる訳ですから宿主が亡くなるくらい体調が悪くなることは本意ではありません。それどころか、その動物の体内ではウイルスがプラスの働きをしているのでは?という説もあるくらいです。
しかし人間だって短期間で「親友」ができない様に、ウイルスとの共存には永い年月がかかります。
コウモリには無害な今回のコロナも人間にとっては厄介者になるのです。
コロナには抗体が効かないのでは?という話もありますが、あれは②→①の変化が起きたからだと考えられています。
ヒトからヒトへの感染の途中で形がかわり「新型の新型」が出来たのでは?と考えられているのです。
次週は「進化のスピード」という視点で、その点をもう少し踏み込んで書いていきたいと思います!