『人間はどこまで耐えられるのか』(おすすめ本8)

こんにちは!

松浦です!

今日は日曜日ですので僕のおすすめの本を紹介しますね!

先週の免疫についての続きは明後日アップします😋

 

『人間はどこまで耐えられるのか』

著・フランセス・アッシュクロフト

訳・矢羽野 薫  河出書房新社

 

本書は魅惑的なタイトルとは裏腹に、結構まじめな生理学の本になります。

 

著者はオックスフォード大の女性の生理学者です。

人間が高温や深海などの過酷な環境下におかれたときに、どのようにそのストレスを体内で対処するかを生理学的に記した本になります。

 

結構分厚い本で沢山のエピソードが紹介されていてどれも大変面白いのですが、これからの季節に向けて「第3章 どのくらいの暑さに耐えられるのか」をご紹介します!

 

人間は割と高温に強い動物です。

砂漠では一日の最高気温が40度を超える事も珍しくありませんが、人間はそこにも町を作り普通に生活をしています。

サウナは室内が90度以上になりますが、それも気持ちいいといって平気で入っていられます。

 

しかし、人間の体温にはそこまで上がり幅がありません。

平均的な体温はおおよそ37度前後ですが、これが40度を超えると高体温とみなされ、42度以上になると心臓発作のリスクが高くなります。そして50度を超えるとほとんどの細胞が死滅してしまいます。

 

人間はどんなに外の温度が高くても、体内の温度を一定に保たなければならないのです。

 

それにはどのような力が働いているのでしょうか??

 

一番大切なのは「汗」になります!

人体の中でほぼ唯一と言って良い、体温を下げる機能になります!

体には約3万個の汗腺があると言われていますが、汗をかく量は人種や性別で大きく差があります。暑い地域で過ごす人は汗のかく量が少なく、また女性も男性の半分ほどしか汗をかきません。

 

そして汗はただかくだけでは冷却の効果は少なく、蒸発することによって冷却の効果を高めます。

不快指数が高いことの問題は、高い湿度によって汗が蒸発しないことにあります。蒸発しないと汗が滴り落ちるだけで、十分に冷やすことにはならないのです。

炎天下の中徒歩より自転車の方が暑さ的に楽なのは、強い風によって汗を吹き飛ばしているからです。

 

また強い暑さの中では、いかに体に熱を貯めないかが重要になります。

アフリカの高温地域に住む人の手足が長いのは、その方が風に晒せる面積が広くなるからです。効率よく汗を蒸発させることが出来るのです。

 

夏バテで食欲がなくなるのも体内の熱と関係しています。体内に熱がこもっている時に、物を食べて代謝熱を出来るだけ作らないようにするためです。

 

人間の体は熱を作る事に対してはとても高度に進化してきましたが、熱を冷ます事に関しては結構原始的です。

 

だからこそ塩分を摂取したり、日陰で休んだり、風にあたったり工夫をすることが重要なんですね。

 

ちなみに、本書の次の章「どのくらいの寒さに耐えられるのか」では、逆に如何に放熱をしないかの工夫が述べられています!

本当に生き物の体は精密にできていますね😿

 

身体がどのようにしてストレスを対処するか、面白いエピソードで学べる一冊です!!

 


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