免疫について⑨「自然免疫」(お体の基礎知識9)

今回からは「免疫力を上げる!」というテーマで書いていきます。

 

前回まではワクチンの話を通して、「抗体」の働きについて書いてきました!

 

体の免疫システムには大きく2つ種類があります!

1つが一度その病気にかかって、その病原に対して「抗体」を作る「獲得免疫」と呼ばれるものです。ワクチンの接種も「抗体」を意図的に作る獲得免疫になります。

 

もう1つが「自然免疫」と呼ばれるものです。これは体に侵入してきた病原菌を「抗体」の力を借りないでやっつけてしまうものです。

何人かのグループで一緒にいて、そのうちの誰か一人だけ風邪やインフルエンザにかからなかったという経験をされた方も多いと思いますが、病原菌に接触したからと言って必ず身体が蝕まれるという訳ではありません。

 

自然免疫で対処出来るケースも多いのです。

 

自然免疫の場合も、活躍するのは白血球になります。白血球の中でも、特にマクロファージというものが大きく働きます。マクロファージは別名、貪食(どんしょく)細胞と呼ばれ体内に入った異物を飲み込んで破壊(殺菌)します。

マクロファージは本当に色々なものを飲み込む細胞で、ウイルスや菌を始め、ほこりや花粉、腎臓結石やがん細胞まで飲み込んで体内をお掃除してしまいます。

自然免疫は生命にとって重要な役割を果しています。虫や植物を含めたほぼ全ての生き物がこの自然免疫を持っているのです。

実は虫も植物も菌やウイルスに感染することはありますが、マクロファージを中心とした自然免疫のみで対処しているのです。

 

そしてこの超重要なマクロファージですが、体のいたるところに存在しています。存在している体の部分によって微妙に名前が変わったりしますが、そのいずれもマクロファージがその部位に適した形になったものです。(例えば、腦では「ミクログリア」、肝臓では「クッパー細胞」、骨では「破骨細胞」と名前がかわったりします!)

 

よく、「免疫を上げれば病気にかからない」といういわれ方をしますが、その場合の免疫は自然免疫を指し示している事が多いかもしれません。病原体が侵入した時に真っ先に戦うのがマクロファージで、この段階でやっつけることが出来れば病原体が侵入した事にも気が付かないでしょう。

 

そしてこの免疫細胞が体内で特に多く分布している場所が「喉(のど)」になります!

 

喉と鼻は人体において外界とのフロントラインとも言える場所で、ここにはウイルスなどの外敵から身を守るたくさんの仕掛けがあるのですが、、、

その続きはまた来週で!


コメントを残す